エンコーダの選定方法
- エンコーダを選定するにはロータリー(回転)エンコーダにするか、リニア(直線)エンコーダにするのかを最初に決定します。
エンコーダは高精度の位置決め(直線と回転)をねらうために使用するのが通常の目的ですので、駆動系の最終動作が直線(リニアエンコーダ)又は回転(ロータリーエンコーダ)になるかで選定できます。 - 直線の高精度位置決めが必要な場合はリニアエンコーダを使用します。
割り出し台、ロータリーテーブル等は回転エンコーダを使用します。特に高精度で高分解能を必要とする場合にはアングルエンコーダを使用します。
直線回転動作共に読取りセンサを機構の最終部位に取付けます。 - 磁気スケールをR部(円周)又は曲線部に貼付けてR部又は曲線部の位置を磁気読み取りヘッド測定することもできます。
- 分解能を決める場合、機械装置の要求精度と機械のコストを考慮して選定します。
機械の要求する総合精度の1/2~1/4精度の分解能で十分と思われます。
絶対精度(スケール目盛の正確性)では、精度の高い順に光学式、電磁誘導式、磁気式となります。 - インクリメンタルとアブソリュート形の選定はコスト、電源立上げ時に原点復帰ができるか、送り速度、耐ノイズ性を考慮して最適な物を選定します。
分解能はアブソリュート、インクリメンタル共に同じです。精度及び制御方法はインクリメンタル方式が優位です。アブソリュート方式は原点復帰が不要です。価格はインクリメンタル式が低く、送り速度はインクリメンタル式が速い。 - 取付け場所の寸法と回転エンコーダの場合には中空軸(磁気リング)、シャフトタイプを考慮して選定します。磁気式は小型でスペースが小さい場所への取付けが容易です。
- 耐久性、耐振性、保護等級(ほこり、切粉、水油)等、使用環境を考慮して選定します。
耐環境、耐久性が高い順に電磁誘導式、磁気式、光学式です。 - 出力信号により選定するには、接続する機器との相性、伝送距離、ノイズ環境などを考慮して選定します。長距離伝送する場合はラインドライバ出力が向いています。
- 最大応答周波数により送り速度(回転速度)が決まります。『分解能×最大応答周波数』が最大送り速度です。
- 回転エンコーダの場合にはベアリングの容量を考慮します。軸許容荷重、寿命、最大回転数、以内で選定します。
- 慣性モーメント以下で選定します。
磁気リングとケーシング無しの回転エンコーダは軸に直接取付けでき、ベアリング不要で低慣性モーメントで使用が容易です。